第123章 生き延びることも叶わず

南坂海乃は肉まんを頬張りながら、江原の説明をもとに真相を組み立てていた。

ふと、壁のカレンダーに視線が引っかかる。

次の瞬間、脳内で何かが弾けた。――今日は、佐藤詩乃の兄の命日だ。

例年この日になると、黒谷優は理由も告げず、半日ほど姿を消して墓参りに行く。

「……お墓にいる」

南坂海乃は、確信を帯びた声で言い切った。

その情報はすぐに黒谷の母の耳へ届く。

普段は息子への不満が尽きない彼女だが、たった一人の息子であることに変わりはない。顔色を変え、居ても立ってもいられず駆けつけてきた。

一同は急ぎ集まり、郊外の墓地へと車を走らせる。

小雨が上がったばかりで、地面の痕跡は大半が...

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